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幻想図書館(第九幕・上)

お待たせしました。
幻想図書館第九幕です!

今回も新たに試みてみた事等を導入しています。

では早速ですがどうぞ!


それは幻想図書館の書庫で発見した。
『何なの...この"書"は。
 こんな"書"がありえるの...?』
それは一人の女騎士の話。
しかし、何故たった一人の人間の話なのに「上・中・下」と三冊も存在するのか...。
確かに以前、一人の元・聖騎士が娘を復活させようと足掻いていた際に『生き返れば娘の第二章が始まる』とは説明したが、それでも3冊だとこの物語の主人公は2度死んだの...?
どういう事だろう。
強い関心を持った私はその上巻に手を伸ばす。


物語の最初は何てことはない、一人の女騎士の物語だった。
正直ありきたりの話だったので前半は飛ばし読んだ。
成長し技量を持つと、とある王国の聖騎士として所属し、仲間や隊長にも恵まれたようだ。
ある時強大な力を持つ、魔王討伐の命が騎士団に下されるまでは...。
騎士団の中から精鋭の聖騎士50人で結成された討伐隊。
王国を出る時は皆、精鋭の50名だから楽勝、と高をくくっていた...。
しかし相手が魔王の中でも特殊な「淫魔王」だったのだ。
皆、なすすべも無く捕らえられていった。
私も騎士長も抵抗空しく捕らえられた...。
そして淫魔王の居城での捕虜としての生活が始まったのだ。
淫魔王は何故かは解らないが毎日、私が捕らえられている部屋にやってくる。
何故殺さない...?
何故、私を辱めない?
だが、辱められるくらいなら私は教義に反すれど自害をするつもりだ。
そして今日も淫魔王がやってくる。
『どうかしら、ここの居心地は?
 そろそろ、慣れたんじゃないかしら?』
「ッ 最悪ね!
 それに...ここの生活に慣れるなんて事は無いわ!」
『あらあら...貴方たちの隊長さんは気に入ったようよ?』
「なッ!?
 そんなわけがあるか!!
 嘘を...いうな!」
『嘘じゃないわよ。
 なら、本人に聞きなさい。
 さ、いらっしゃい?』
淫魔王の呼びかけに応じて騎士長が現れる。
しかし、生気がなく虚ろな目をしている。
「騎士長!?
 どうされたのですか!?
 騎士長ッ!!」
『無駄よ...。
 この男は既に私の身体の虜。
 私の忠実な"狗"よ。
 そうよね?』
騎士長が答える。
「はい...。
 私は...淫魔王様に仕える狗です。」
『よく言えたわね。
 さ、ご褒美よ?』
淫魔王の靴に口付け、舐める騎士長。
「そんな...。
 騎士...長ぉ...。」
『大丈夫よ。
 お前もすぐ、そうなるんだから。
 お前は私の命令に従って腰を振る、とびっきり淫らな淫魔になるのよ?』
「ッ!!
 ふざけるな!!
 私は絶対そうはならない!」
『フフッ
 そう叫んでいたのがどうなるのやら。
 楽しみね...。』
淫魔王が人差し指で私の額を突付いた。
途端、"私"の意識は途切れる。

気付くと寒い冬に毛布に包まっているような心地よい空間に私はいた。
動こうとしたが身体は動かない。
そこにどこからか"私"を呼ぶ声が聞こえる。
『さ、起きなさい?
 私の忠実な"娘"よ。』
「...はいぃ...。」
"私"でない誰かが返事をしている。
..."私"に良く似た声だ。
そう思った瞬間、さらに声が遠くに聞こえる。
そして、徐々に私の意識も遠のく。
深い眠りに落ちるような感覚だった。
『さ、今日からお前に私の"力"を少しずつ与えてあげるわ。
 私の力を少しずつ受け、お前は本当の"娘"となるのよ?』
「ぁぁ...。
 は、はいぃ...。
 光栄ですぅ...。」
遠くから"声"だけが聞こえてくる。
しかし、私の意識は闇に沈んで行こうとする...。
-ズクンッ
「ぅ...ぁ...?」
何かが"私"の頭の中に広がる。
それは、えも言えぬ幸福感。
満足感。
そして、ぬくもり。
「何...これ...ぇ?
 ぅ...あぁぁッ!?」
広がる幸福感、しかし私の意識は何故か沈んでいく...。
『思った以上の"素質"ね...。
 これはいいコになるわよ...?
 クスクスッ』
突如耳元で囁くような声が聞こえた...気がした。
あとは遠くからの声だけだった...。
「ぅぅ...。
 ぅぁあああッ!?」
『フフッ。
 この魔力の侵食度、このコは素質もあるけどどうやら...魔族の血も入ってるのかもね。
 それも私に近い種族の...ね...。』
その声を最後に私の意識は完全に闇に沈んだ。

暫くの間、毎日淫魔王が私の牢獄へやってくる日々だった。
しかしおかしな事に私は淫魔王が何時、帰ったのかを覚えていない。
次第に恐怖を感じたが、騎士として私は敵に弱みを見せることは出来ない。
淫魔王は言っていた。
『貴方の仲間の命は無事よ?
 私にも目的があるから。
 フフッ目的?
 それは言えないわ。』
そう、捕らえられた仲間もいるのだ。
仲間を守る為にも私が折れるわけにいかないのだ。
今日も淫魔王は来るのだろうか?
そろそろ来る時間だが...。
『かなり進んできたから今日からは玩具を使うわ。
 フフフフ...。』
「何...を...?
 玩具...?」
淫魔王がよく解らない事を言う。
玩具...?
『ウフフフフ...。
 さぁ、ね。』
そして私の意識はまた、遠のいていく...。
また、遠くで声がする。
「はぃぃッ
 ご主人様ッご主人様ッご主人様ぁぁぁぁぁッ
 私は、ご主人様の命じられるままにしますぅぅッ」
『フフッいいコね...。
 さ、この次はどうするのかしら?
 今日与えた玩具を使うのよ?』
「はぃぃ...。
 私の身体を道具に...玩具の精気を吸っていくんですね...」
『フフフッ賢いわね。
 さ、次は実践よ?』
「はぃぃ...。
 さぁ、私と遊びましょぉ...?」
ピチャ...ペチャ...
空間に粘りのある音が木霊する。
『クフ...フフフフ...。
 良い調子ね...』
また、私の意識が闇に沈む。
「...!?」
私は跳ね起きる。
...また、淫魔王が帰った時が解らない。
それに"玩具"とは何なのだ...?
解らない事だらけだ...。
そしてそんな毎日がまた暫く続いた。
相変わらず淫魔王の帰った時は解らない。
それに、日に日に私の体力が回復...というのか力がついているのだ。
あまり空腹を感じず、食事も味気なく感じると言うのに、だ。
だが身体能力はかなり充実しており、以前よりむしろ充実しているくらいだ。
「一体...何故?
 私がこの環境に慣れて...いる?」
そんな事は考えたくない。
だが、身体的にも充実しているのだ。
理由が...わからない。
そして今日も淫魔王が来た。
今日は珍しく騎士長も随伴している。
『さて、もうそろそろいいでしょ?
 私のモノになりなさいな。』
「私は...私は決して、決して悪魔には屈しない!
 必ず、ここから脱出して王国に...戻る!
 そして貴様を必ず...滅する!」
『何を言ってるのかしら?
 騎士団の勢力が大きくなる事を危惧した教会が貴方たちを私に売ったのに。
 戻った所で難癖つけて処刑されるだけよ?』
「...ぇ?
 何...を言って...?
 ...ぇ?」
『私がどうやって一人も殺さずに捕らえたと思ってるの?
 教会から人数から何から情報が入ってたからこう易々と全員捕らえたのよ?』
「ぇ...ぇ...?」
『流石に50人もの聖騎士が相手だと私でも怪我位はするのよ?
 それを全く殺さず生け捕りにしたんだから。
 少しくらいおかしいと思いなさいよ? 
 ま、殺さず活かしたのはまぁ、私の目的の為だけどね。』
「何...何を言って...ぇ...?
 あれ...?
 ぅぁ...?」
『(...もう一押しって所かしら?)
 国に戻っても処刑されるだけよ?
 そんな犬死をお求めかしら?』
「ぅ...ぅぅ...。」
『私を討伐するつもりだったみたいだけど、教会が貴方たちを私に売ったからこの作戦は失敗したのよ?
 (教会からの情報がなくても全滅してたでしょうけどね...。)
 無能な王国や教会に義理立てする必要があるのかしら?』
「ぅぅ...ぅぁ...。
 だ...ダメだッ
 (何と...言われようと...私の忠義は、揺るが...ん!)」
『あらあら...強情ね...。
 だけど、表面上はそう言っても本心はショックだったのねぇ。』
「(何...を...?
  !?
  声が、出ない!?)」
『心の折れた貴方は主導権を維持出来なくなったのよ。
 クスクスクス...
 さ、私の可愛い"娘"よ。
 出てらっしゃい?』
「はぃぃ...ご主人様ぁ...。
 (私...!?
  いや...何なの!?
  どうなっているの!?)」
『裏切られていたショックが思った以上に大きかったのね。
 今まで躾けていた裏の人格と主導権が入れ替わったようだわ。
 クスクス...気分はどうかしら?』
「ご主人様ぁ...?
 (悪い...夢よ...これは...)」
『さ、"娘"よ。
 今日は今まで遊んだ玩具を処分する日よ?
 意味は、解るわね?』
「はぁい!
 玩具は、片付けるんです!
 (玩具...?
  何...?)」
"私"ではない"私"が剣を持って騎士長だった人の下へ向かう。
「(何...?
  まさか...?)」
『さ、さっさと片付けなさい?
 その後また、"お勉強"よ?』
剣を振りかぶる"私"
「はぁい!
 (止めて止めて止めて止めて止めて!
  駄目駄目駄目駄目駄目!)」
-ザシュッ
「(うああああああああああああああああああッ!?)
 クスクスクスッ
 さ、要らないのは~消すのです!
 -業火・淫!
 (やめっ...ァァァァァッ!?
  ...........。)」
騎士長の死骸が一瞬で燃え上がる。
『良く出来ました。
 フフッとうとう自己逃避しちゃったかしら。
 だけど、裏も表もないのよ、本当は。
 いずれこれが貴方の本心だって事を教えてあげるわ。
 クスクスッ』
「ご主人様ぁ...?
 (.......。)」
その日、聖騎士としての私は死んだ。

上巻を読み終えた私。
『クッククッ...
 アハハハハハハハッ
 なんて、なんてありきたりで滑稽なのかしら。
 アハハハハハハハハハハハ!!』
書庫に少女の笑いが木霊する。

~上巻・了~

今回、「幻想図書館」では初の連作にしてみました。
ま、図書館なんだし「上巻」「中巻」「下巻」とあってもおかしくないですよね!ね!

というわけで次回は「中巻」です。
出来る限り早くUPできるように努力します...

-おしたり
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プロフィール

忍足誠

Author:忍足誠
厨二病真っ只中。 ラノベを読んだり、SS書いたりして日々自堕落に生きてます。 魔物娘・悪堕属性大好き。 こっそりオーディオ属性あり。
なお、アイコンは左藤空気先生より使用許可をいただいております。
Twitterアカウント:M_oshitariです。

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